熊野古道 その11
小口〜熊野本宮大社





使用マップ(和歌山県観光連盟)

小口〜請川


熊野古道の旅も11回目。
今回で一応終わりです。

朝一番に本宮へ。

いい感じですね。
稲穂が実った時も
見てみたいです。








本宮からバスで前回終了
地点の小口へ向かいます。

本宮から神丸、神丸で
乗換えて小口へ。

本宮から約1時間。










小口のバス停前。

バスで走ってきた方向へ
歩いていきます。

朝の8時にスタート。










小口トンネル。

ここまではダラダラと
した登りが続きます。

トンネルの先は
小和瀬までは下り。









小和瀬の渡場跡。
昔は渡船があったそうです。

明治五年の渡場賃銭は、
常水25文、中水50文、
大水100文と、水量に
より値段が異なったそう。

また牛馬ならいくら、
かごはいくら、と細かく
決められていたようです。




今は橋が架かってますので
簡単に渡ることができます。

ただ、ここに最初の吊り橋
が完成したのは昭和29年。
それまでは渡船を使って
いたそうです。

そんなに遠くない昔ですね。







橋を渡り、民家の手前の
石段を登っていきます。














小口は山間の集落ですが、
標高は高くありません。

桜峠までは登りが続きます。

時間には余裕があるので、
のんびり歩いていきます。









30番道標。

大雲取越から番号は
連番になっています。

私より以前に歩かれた方の
情報では、番号が間違って
いたそうなのですが、
直されていました。





尾切地蔵。

昔はこの辺りが集落の
境界だったようです。













登りが続きます。

前回の大雲取越えは
天気に恵まれませんでしたが
今回はラストにふさわしい
いい天気になりました。

天気はよかったのですが、
歩いたのは7月下旬。

暑さとの戦いが。




小和瀬の渡場から20分程
登ったところで振り返ると
山間の集落が見えました。

こうして見ると20分程の
登りですが、結構登った
のがわかります。







さらに登っていきます。

小口の集落用でしょうか、
古道には電柱がありました。

生活用として電柱がある
のは仕方ないと思いますが、
コンクリート色でなく、
茶色に塗るとかなんか配慮が
あってもいいような。



桜茶屋跡に到着。以前は
茶屋の庭先に桜の大木が
あったそう。

その昔、ここから南に見える
楠ノ久保の辺りを通る白衣の
参詣者の一団を見かけると、
茶屋の主人は大急ぎで湯を
沸かし餅をついたそうな。

熱々のお茶につきたての餅。
評判よかったのでしょうね。

この休憩所は桜茶屋跡の
すぐ手前にあります。


休憩所から見た景色。
休憩所で小休止しました。

熱々のお茶につきたての餅が
あればよかったのに。(笑

ここまで小和瀬の渡場から
1時間弱。






桜茶屋跡から桜峠を
目指していきます。

峠を目指す手前は
当然ながら登り坂。








36番道標を過ぎてすぐ、
桜峠に到着。

桜茶屋跡からは
10分ぐらい。










桜峠の先はしばらく
登り下りの繰り返し。

急な下りには手すりが
ついているところも
ありました。










39番道標の少し先には
石堂茶屋跡があります。

昔は茶屋が2軒あったそう。
近くで砥石が採れることから
石砥茶屋とも呼ばれていた
そうです。

吊天井を仕掛けて、旅人を
殺害し金品を奪った、
なんて話も。

あ、あかんやん‥


上り下りを繰り返しますが
所々平坦な道も。
















賽の河原地蔵。

地蔵は熊野詣で亡くなった
人々の霊を供養するために
作られたものだそう。

小和瀬の渡場から1時間半。








一旦林道と交差します。

交差する手前には皇太子
殿下行啓の地の碑が。













林道交差後は再び登り。

百閧ョらを目指します。














ここまでくれば
百閧ョらまであと少し。

大阪の八軒家を出てから、
何十回と登ったいろんな
坂もこれで最後。











百閧ョらに到着。

「ぐら」とは高い崖の
ことだそうです。

熊野古道の中辺路ルートの
中では、牛馬童子と並んで
人気を二分するスポット。





山肌にちょこんといた
お地蔵さんの見る先は‥












ご覧のような絶景。

北西には果無山脈、
西には野竹法師、
南西には大塔山系。

夏場だったので、
若干見通しが悪いですが、
幾重にも重なる山並みが
凄いです。



西向きの景色ですので、
夕日は抜群かもしれません。

一度見てみたいですが、
夕日が落ち、暗くなると
歩くのはちょっと
難しいですかね。









デジカメ付属の動画ですので、画質が粗いですが、よければご覧ください。

10分ほど景色をぼーっと眺めていました。


小和瀬の渡場から百閧ョらまでは2時間弱。

ここから先は下っていくだけです。








45番道標を過ぎて
46番道標のすぐ手前、
万才峠へ続く道との
分岐点があります。

写真は振り返った様子。
右側の道が百閧ョらから
下りてきた道。
左側の道を行くと、
万才峠へ。

万才峠から先は伊勢へと
続く古道になります。




松畑茶屋跡。

元文4年(1739年)に
書かれた「熊野めぐり」には
「松畑茶屋とて四、五軒も有」
と記されているそうな。











大雲取越はゴツゴツした岩や
苔生した部分が多くみられた
のですが、小雲取越では
ご覧のように落ち葉が
敷き詰められた部分が多く
見られました。

落ち葉がクッションになり
負担は少ないのですが、
下りは滑るのでちょっと
注意が必要です。




50番道標。

小雲取越えもあと2km。














52番の道標を過ぎた
辺りから、熊野川が
所々で見えてきます。

あとちょっと。












集落があるところまで
下りてきました。

古道もこれで終わりです。













川の先が本宮方面。















国道に出る手前に
「この道は熊野古道では
ありません。」の案内板。

いろんな案内板にお世話に
なりました。

しっかり整備されているので
ほとんど迷うことなく
歩くことができました。

ありがとうございました。



54番道標のある
下地橋のバス停。

小和瀬の渡場<からbr> ちょうど3時間でした。











下地橋バス停から国道
168号線を少し歩くと
請川のバス停。

請川か先ほどの下地橋の
バス停から本宮へバスで
向かうのが一般的なよう
ですが、折角なので歩いて
本宮に向かうことに。

ちなみにバスは請川からの
方が便数が多いです。
また、請川にはコンビニや
中華料理屋さんもありました。


道端にはいくつか
お地蔵さんも。














ひたすら国道を歩きます。

それにしても暑い。
気温もそうだったのですが、
日陰がないのが辛いです。











こんな所を歩いて
いるのは私だけ。














熊野川に架かる備崎橋。

この橋を渡っていくと、
大峯奥駈道とつながります。

大峯奥駈道は奈良の吉野と
本宮を結ぶ道。

元々は修験道の修行場として
開かれた道で、熊野古道の
中で最も過酷なルート。






本宮町まで来ました。

いや、戻ってきた、かな。













見慣れた本宮町の街並み。

長かった旅も終わりです。













最後、大斎原に寄って
無事に歩けたことに
お礼をいってきました。











本宮到着。

小和瀬の渡場から
丁度4時間。

約16kmを24600歩でした。

帰りには渡瀬温泉により
疲れを癒して帰宅。









全行程約300km、合計67時間、431,900歩。延べ11日間でした。
途中、1か月以上歩くことができなかったことが2度あり、足掛け6か月かかりました。
達成感はもちろんあったのですが、それより終わっちゃった‥という寂しさの方が強かったかもしれません。
全体的に道案内などコースはよく整備されていると思います。特に滝尻〜本宮、那智大社〜本宮の間は
地図などなくても歩けるのでは?と思えるほど、キッチリ整備されていました。さすが世界遺産。


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