熊野古道 その8
継桜〜熊野本宮大社(後編)




使用マップ(和歌山県観光連盟)

継桜王子〜熊野本宮大社


三越峠から続きです。

三越峠の休憩所には
こんな案内板が。

各王子間の距離と所要
時間が書いてあります。

地図で位置関係も把握
できるので、なかなか
よくできています。





休憩所でしばし休憩。

この日もいい天気でした。














三越峠からは下り坂に
なりますが、古道の入口
には関所風の門が。












ここからは長い下りが
続きます。














55番道標、つまりあと
10kmを過ぎた辺りにあった
棚田の跡。

廃屋もありました。

どのくらいまで人が
住んでいたのでしょうね。







飲めます、とかかれた水。

まだ水分は持っていたので、
手と顔を洗わせて
もらいました。











一旦、林道と合流しますが、
再び古道へ。

まだまだ下りは続きます。










55番道標の辺りから
音無川を眺めながら
沿うように歩いていきます。

ようやく下り切って
平坦なところに出ました。










この辺りはすごく気持ちよく
歩くことができました。

いっぱいの新緑、
川のせせらぎ、
暖かい日の光、
気持ちのいい風。







59番道標付近、赤木越と
呼ばれる古道との分岐点。

右奥に見える赤い橋を渡ると
赤木越。

継桜からここまで約3時間。











赤木越方面。

こちらは湯の峰温泉へ
続く道になります。

その昔、湯の峰温泉で
体を清めてから本宮へ
向かった人も多かった
とか。







赤木越との分岐点の
すぐ先には船玉神社。













しばらくは林道を歩きます。

見えるものは
緑と空と道だけ。












猪鼻王子跡。

この石碑は享保8年(1723)
紀州藩主・徳川宗直が碑文
を刻んだもの。












猪鼻王子の手前で林道から
はずれ、古道を下って
いきます。

写真は60番道標。










一旦林道に合流しますが、
またすぐ古道。

今度は登り坂。

この坂を登ればいよいよ
発心門王子です。









発心門王子。九十九王子の中で特に格式が高いといわれる五躰王子のひとつ。
発心門と言う語は山岳信仰における四門修行に由来する。四門修行においては山上の聖地に至る間に
発心・修行・等覚・妙覚の4つの門を設け、それらを通り抜けることによって悟りが開かれると説かれた。
このとき、発心とは発菩提心、すなわち仏道に入り、修行への志を固めることを意味する。
すなわち、発心門とは聖域への入り口を意味しているのである。 〜Wikipediaより〜

熊野古道を歩く際、参考にさせていただいたy&mさんのサイトに面白いことが書いてありました。
サイト内の原文をそのままお借りすると‥

民宿・月の家のご主人から、発心門王子での作法を教えてもらいましたよ
二礼五拍で四拍目と五拍の間でお願いをします そして礼。滝尻王子は熊野大社の聖域の入り口で
発心門王子は熊野大社の玄関口だそうです 鳥居をくぐる前に必ず持ち物を下に置き、帽子と手袋を取り
そして二礼五拍 ここで失敗すると今まで歩いて来たことが無になるそうです


だそうです。二礼二拍一礼が一般的な作法。いいことを教えていただきました。
いままでが無にならないよう、作法をメモ書きしたものをちゃんと持参しました。(笑


発心門と言う語は山岳信仰に
おける四門修行に由来する。

四門修行においては山上の
聖地に至る間に発心・修行・
等覚・妙覚の4つの門を設け、
それらを通り抜けることに
より悟りが開かれると説か
れた。発心とは発菩提心、
即ち仏道に入り修行への志を
固めることを意味する。

つまり発心門とは聖域への
入り口を意味している。

〜Wikipediaより〜

本宮から発心門まではバスが
走っています。

ここまでバスで来て、
本宮まで歩かれる方も
多いようです。










発心門より先は聖域。

被っていた帽子を取って
本宮まで歩きました。

発心門から水呑王子までは
舗装された道を歩きます。









少し歩いたところに
立派な休憩所が。














休憩所には日没時間を
知らせる案内板が。
確かに必要な情報ですね。

この日の日没は5時半か‥

歩いたのは5月中旬。

ん?随分日没早くないか?







62番道標。

奥に見える構築物は
何でしょうね?

水路かなにかでしょうか?











長閑な風景。

言い方は悪いかも
しれませんが、

「The 日本の田舎」











これも古道では有名(?)な
お迎え人形。

ししおどしの原理を利用
した仕掛けで動くように
なっています。









最近見なくなった公衆電話の
横にもオジサン人形が。

なんか見られているようで
電話掛けにくいな‥

ここにも日没の告知があり、
こちらは6時半。
どうも先ほどの5時半は
書き換えていないだけの
ようですね。


水呑王子。
ここに65番道標も
あります。

ということは残り5kmです。

継桜から3時間40分ほど。







ここでも弘法大師にまつわる
言い伝えがあります。

なんでも杖で突いた地面から
水が湧き出したのだとか。

どっかで聞いたことある
話のような気もしますが‥

水呑王子の先から地道に。





「蘇生の森 熊野古道」の
大きな碑がありました。

個人的にはもう少し
控え目でもよかった
のではないかと。

蘇生を辞書で調べてみると、
息をふきかえすこと。生き
返ること。よみがえること。
生き返ったように元気に
なること。とありました。

長時間歩いてみて蘇生の
森といわれるのかが、
わかったような気がします。


水呑王子から1kmほど、
軽い登り下りを繰り返し
ながら、林の中を歩いて
いきます。












再び集落に出ました。
















この集落だけではないですが
茶畑をよく見かけました。













伏拝王子の手前にあった
お茶屋大阪さん。
わらび餅、アイスキャンデー、
生ビール‥誘惑に負け休憩

何故、屋号が大阪なのか
気になったので女将さんに
聞いてみると、なんと毎日
大阪の堺からここまで通われ
ているそうで‥
気さくな女将さんで、面白い
話も聞かせてもらいました。
お土産にいただいた果物も
美味しかったです。
ありがとうございました。


標高1000mオーバーの山々が
連なる果無山脈。

真ん中でポコッと頭を
出している山が三里富士。

大阪屋さんからすぐの所に
伏拝王子跡があります。





熊野三山巡拝の最初の目的
地である本宮が、遥か彼方
の熊野川の中洲に鎮座する
のがこの辺りから見え、
感動のあまり伏して拝んだ、
ので伏拝王子。

ここにも休憩所があり、
地元のお母さん方の
溜まり場でした。
お母さん方のしゃべり声が
けたたましく、伏して拝む
雰囲気ではなく‥。



伏拝王子の先からは
また地道になります。

ちなみに伏拝は
ふしおがみ、と読みます。








三軒茶屋跡が見えました。

ここまでくればあと2km。














ここ三軒茶屋は、私が歩いて
きた中辺路と呼ばれる道と
高野山からつながる小辺路
と呼ばれる道が合流する
場所になります。

道標にも、左きみい寺、
右かうや の文字が。








その昔、ここで出会った
人達はどんな会話をしていた
のでしょうかね。













ここにも関所跡が。

九鬼ヶ口関所、とありました。













71番道標のある三軒茶屋
から73番道標までは登り
坂が続きます。

これが最後の登り坂。











73番道標の先に
こんな案内板が。

寄り道すると展望台が
あります。

何が見えるのかは
わかっていたのですが、
行ってみることに。






急な階段を登り
展望台に到着。

この写真ではよく
わかりませんね。

ズームにしてみると‥










大斎原の大鳥居。

鳥肌が立ちました。

もうすぐそこです。












本宮までは下り坂。

早く着きたいような、
まだ楽しみたいような、
不思議な感覚の中、
本宮へ。









本宮の街に入りました。
ここまでくればあと数百m。











最後の道標、75番道標。
















最後の王子、祓所王子。















本宮大社の裏門に到着。

ここでも教えていただいた
作法に従って礼。

継桜から約5時間でした。












大阪の八軒家からここまで約260〜70km、延べ8日、所要時間51時間、約33万歩。
この日は土曜日ということもあり、本宮大社は多くの参拝客で賑っていました。
本宮大社到着がちょうど昼ごろ。このあと大斎原経由大日越で湯の峰温泉へ。
本宮の様子や大日越の様子は次でアップします。




次(熊野本宮大社〜湯の峰温泉)へ    熊野古道のトップへ