西国街道(旧山陽道) その8
三石〜上道(前編)






西国街道の続きを歩いて行きます。前回終了地点のJR相生駅前が出発地点。
相生から有年峠、船坂峠を越え岡山県に突入、というコースになります。
ところが、ネットで下調べをしているときに、ちょっと嫌な情報を耳にしてしまいました。

どうも有年峠はまだマムシがうじゃうじゃいるのではないか、と。
たぶん、「うじゃうじゃ」はかなり誇張された表現だとは思うのですが、
マムシがいることには間違いなさそう。どうするか悩んだのですが、
相生からの区間はマムシが冬眠した頃に歩くことにして、今回はその先を歩くことにしました。

そんな訳で、山陽本線の三石駅からスタート。
相生〜三石間はマムシが完全に冬眠してから歩きたいと思います。







駅前には近隣の観光案内が
ありました。

三石城跡なんぞ、面白そう
ですが、寄り道せずに
まっすぐ歩くのを基本と
していますので、そのまま
街道を直進していきます。







駅前にある三石一里塚跡。
ここを朝の7時半ごろ出発
しました。

この日は天気がよくなく、
昼からは雨の予報も。

どこまで雨が持ってくれるか。











三石の集落。

スタート直前に歩く時は
いつも携帯しているGPS
ロガーのスイッチを入れた
のですが、なかなか捕捉
しません。
衛星を捕捉するまで出発を
待ったいたのですが、5分
待ってもダメ。
そのうちつながるだろうと
歩き始めましたが、なかなか
つながりませんでした。

天気が悪いとつながり
にくいのでしょうか?

程なく金剛川を渡ります。

看板が錆びてしまっていて、
ほとんど読めませんが、
よく見ると広島の文字が。












JRの高架をくぐり、道なり
道なりに歩いて行くと
国道2号線に出ます。

ダラダラとしたこの坂を
登っていきます。

この坂は通称「弟坂」。








大西峠を越え、反対側の
下りは「兄坂」。
順番が逆のようですが、
よく考えてみると
ここは既に岡山県。

つまり岡山側から見れば
順はおかしくありませんね。

山陽自動車道の備前ICの
所で右側の側道に入ります。




八木山の集落の入り口には、
石燈籠の頭のようなものが
並んでいました。










で、集落を出るところには
お地蔵さんたちが。

先ほどのものと併せて集落の
出入り口を見張っている
ような感じです。











再び国道2号線に出て、
山陽自動車道を越えた所に
八木山一里塚の跡が。

岡山市内に向かって国道の
右側を歩いていたのですが、
一里塚跡は国道の反対側。

交通量が多くて渡れません
でした。




国道の四軒屋の交差点の
少し先から再び右側の側道へ
入ると四軒屋の集落。

国道は休日の朝早い時間
でしたが、交通量はかなり
あり、騒がしい。

側道に入るとまるで別世界。






ここで道を間違いました。

写真の左手に見える川は 四軒屋の集落に入ってから
続いてきた持手川。
写真にあるガードレールの
橋を渡って持手川沿いに
歩いてしまいました。

本来は直進でした。

5分程で気が付いたので
たいしたロスにはならず。




本来の道に戻り、伊里川を
越えたところに関谷神社。

ここを左折します。









伊里中の集落を抜け、
一本松の集落に入ると、
左手に藤ヶ棚茶屋跡の
案内柱がありました。









三度国道2号線に合流し、
しばらく行くと
片上一里塚跡がありました。

これも岡山に向かって左側に
ありました。また右側を
歩いていたので、渡って脇に
あった案内板を読んでみると、
一本松一里塚、との表記が。

どっちが正しいんだ??





国道と新幹線が交差する
手前で国道から離れます。

写真に見える集合住宅の
前の道に入っていきます。










新幹線の高架をくぐると
大東の集落に入ります。

集落を抜ける手前の立石川の
ところにはお地蔵さん。









国道2号線を北側から南側へ
横切りますが、横切る手前に
天神宮。

梅鉢の紋が見えたので、中に
入ってみると、やはり祭神は
菅原道真。
道真フリークの私には
外せないスポットだったので、
しっかりと参拝&見学。

国道2号線のすぐ南に平行
してJRの赤穂線が走って
います。

これも越えるとやがて
片上の集落へ。










集落に入ってすぐ、右手に
法鏡寺があります。













さらに行くと右手に
宇佐八幡宮。

八幡宮の前には片上宿の
案内柱が。三石宿から
二里半と表記がありました。

ここまででスタートから
約2時間10分。
まあまあいいペースです。



狛犬はなんと備前焼で、
1826年のもの。

胴回りは2.5m、高さは1.4mも
あるそうです。

いま作ったら、いったい
いくらするんだろう?
と下世話なことを
考えてしまいました。







JR西片上の駅の手前ぐらい
から、こんな白い案内柱が
いっぱい立っていました。

側面には簡単なコメントも。
こういうのはとても
有難いですね。









JR西片上の駅前を通り、
片上の商店街を抜けて
いきます。













商店街を抜けたところにあった道標。

右 恵美須 道
左 大 坂 道

とあります。

街道はここを右折します。








しばらく坂を登っていくと、
お夏の墓とお夏の追悼碑が。

お夏って??

詳細は後程。







お夏の墓からさらに坂道を
登っていきます。

この坂を葛坂といい、葛坂は
片上と伊部を結ぶ旧山陽道
である、と案内板にあり
ました。







坂を登り切ったところが
葛坂峠のお夏茶屋跡。

案内板には、「お夏は天性の
美貌と知れ渡った評判の店は
随分と流行った」とあり
ました。茶屋の娘さん
だったのでしょうね。

見てみたかった。

今は茶屋はありませんが、
ベンチに座って暫し休憩。


葛坂峠を越え、下っていくと
また国道2号線に合流。
ちょうど片山トンネルを
抜けたあたりになります。










国道に合流してすぐ、右手の
国道と並行して走る旧道へ
入ります。

スーパーマルナカがある
交差点のところで右斜めに
伸びる道へ進みます。

マルナカの駐車場を左手に
見ながら歩く感じ。






伊部の街に入りました。

この辺りには備前焼の店が
たくさん並んでおり、
観光客もいっぱいです。

久しぶりにたくさんの人を
見たような気が。











しばらく行くと右手には
天津神社。

鳥居の額束を見てみると、
「天神」の文字が見えたので、
中に入って確認すると、
ここも祭神は道真サン。

狛犬だけでなく、神門の瓦や、
塀にも備前焼が使われて
いました。



電柱にはこんな看板が。
備前カレーに備前バーガーは
なかなかそそります。
しかし、手前に339歩って
いうのはなんとも中途半端。
「この先339歩」だったら、
間違いなく本当にそうか
確認していたのですがね。

店先に陳列してある備前焼を
眺めながら、西へと進んで
いきます。




不老川のたもとには備前焼の
お地蔵さんが。

備前焼一色ですな。

この備前焼のお地蔵さんで
スタートから約3時間。







こんな立派な茅葺の家も
ありました。

維持するの大変でしょうね。














伊勢本街道、熊野古道、西国街道と歩いてきましたが、今回初めて「飛ばし」をしてしまいました。
有年峠にマムシが出る、という話を聞いたとき、完全に冬眠するまで待つか、
それとも遭遇覚悟で強行突破するか、その区間だけ飛ばして後回しにするか‥
結局、後回しにしてしまい、マムシには勝てませんでした。
伊部の街でこの日の予定のちょうど半分ぐらい。続きは後編へ。


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