前回終了地点の山粕の 集落までバスで来て 朝9時ごろスタート。 この日歩く予定は約40km。 そのため、早いスタートが 必要なのですが、山粕へ 朝早く着くバスが平日しか 運行しておらず、休暇を 取って歩くことにしました。 着く前にハプニングが あったのですが、それは 後述します。 |
集落の東にある鞍取峠の 入り口。 ここには公衆トイレも あります。 |
歩いたのは正月明けの頃。 ご覧のように数日前に 降った雪がまだ残っています。 風がなかったので、あまり 寒さは感じませんでした。 |
鞍取峠の登り坂を振り返って 撮ってみました。 この鞍取峠は、 「お伊勢参りして 怖いとこどこか 飼坂 櫃坂 鞍取峠 津留の渡りか 宮川か」 と詠われた難所の1つ。 勾配もかなり急です。 |
ただ、距離はそんなに長くなく 登り始めて15分程で到着。 |
登りと同じ15分程かけて 下っていくと、桃俣の 集落に到着。 集落の手前に白髭稲荷 神社がありました。 |
民家の前にあった案内板。 ここから御杖村だそうです。 なんてことない情報ですが、 何故か心が和みます。 ここの集落から先、いろんな 集落で伊勢本街道を感じる ことができました。 ここからは1時間弱ほど 舗装された道を歩きます。 |
まつや旅館。 伊勢本街道を泊りで 歩かれる方には おなじみの宿。 |
写真の真ん中にある電柱の 脇を左折し桜峠を目指します。 曲がるところには案内板も ちゃんとあるので、迷う ことはありませんでした。 |
峠に差し掛かる手前で 牛さんの注目をあびて しまいました。 この寒いのに物好きなヤツ‥ とでも思われているので しょうか? |
桜峠を越えると急に視界が 開け、巨大ドームが出現。 小学校でした。 個人的にはちょっと 違和感があるのですが‥ |
一旦国道369号線に 出たあと、菅野の集落を 抜けていきます。 道標・常夜燈の横には 電柱やカーブミラー。 ここまできれいに 並べなくても、 と思うのですがね。 |
天気もよくなってきて、 少し暖かくなってきました。 |
今度は牛峠を越えていきます。 この峠はあまりキツイ 勾配はありません。 牛峠の手前でスタートから 2時間ぐらい。 |
牛峠を越え、再度国道369号線に一旦合流。 少ししてから脇道にそれ、神末の集落へ。 ここにも道標と常夜燈の横にカーブミラーが。 まあ、道標などは曲がり角にたてることが 多いので、仕方がないといえば仕方がないですね。 |
民家の軒先には 伊勢本街道の提灯が。 この先、この提灯は よく見かけました。 |
首切地蔵。 説明分らしきものが あったのですが、 文字が消えてしまっていて 読むことができませんでした。 このあたりは佐田峠らしい のですが、峠ということは あまり感じられません。 |
丸山公園を過ぎ、少し下り 始めたところに、 姫石明神があります。 ご神体は岩で、女陰の形を しているのだそう。 あまりジロジロ見るのも なんなので短時間で通過。 |
先ほどの姫石明神の あたりが岩坂峠。 山道を一気に下って いきます。 |
視界が開け、 集落が見えてきました。 国道368号線に出ると‥ (369号から変わってます) |
三重県に入ります。 ここまででスタートから 3時間ぐらいです。 ここからは舗装された 道を行きます。 |
祓戸の常夜燈。 石垣の上にありましたが、 移設されたんでしょうね。 |
「右 いせみち」 と書かれた下垣内の道標。 この日の中間地点である 伊勢奥津駅まではあと2km。 |
奥津は宿場として栄えた 集落で、いまも昔のいい 雰囲気が残されています。 それぞれの民家の前には 工夫を凝らした暖簾が かけてあり、集落をあげて 雰囲気を守ろうという 気持ちが伝わってきます。 |
JR伊勢奥津駅に到着。山粕から3時間50分。 JR名松線の終着駅である伊勢奥津駅。当初の計画では三重の松阪と名張を結ぶ予定だったのですが、 1935年に松阪からここまで出来ただけで計画がストップ。 全国屈指(?)の赤字ローカル線としても有名で、行き止まりの路線ということもあり、 「鉄っちゃん」の間ではなかなか人気の高い路線せした。 ところが、2009年10月の台風で大きな被害を受け、名松線全線が運休。 松阪と途中の家城間は復旧しましたが、家城〜伊勢奥津間は復旧が困難とのJRの判断で、 未だ再開されておらず、現在はバスの代行輸送になっています。 代行輸送に伴い便数も削減され、アクセスが不便になってしまいました。 駅舎は2004年に立て替えられ、津市の出張所や地域の住民センターを併設。 なかなか立派な駅舎なのですが‥。 鉄道復旧に向け地元の方からは要望がでているようですが、超赤字路線なこともあり、 なかなかJRもウンとは言わないようです。 |
蒸気機関車のころの 名残りの給水塔。 今となってはかなり 珍しいものになるのでしょう。 |
ここで行き止まり。 終着駅の雰囲気が出てます。 実は駅の手前で飲み物が なくなりました。駅の前の 自販機で買おうと思ったら、 スポーツドリンク系が売切。 お茶は売っていたのですが、 次の自販機で、と思ったのが 失敗。2時間半ほど飲み物を 手に入れることができません でした。冬場で助かりましたが 夏場だったら大変なことに。 ここで補給されることを お奨めします。 |
奥津の集落を抜けて これまた難所である 飼坂峠を目指します。 (カイサカと読みます。) 民家の前に飾ってある 花のようなものは猿よけ だそうで‥ 猿をみることはありません でした。 |
峠に差し掛かると 首切り地蔵があります。 昔、峠越えの際に山賊等の 犠牲になった人たちの成仏を 願い、供養のため建立された ものだそう。 さすがに今は山賊はいない でしょうけどね。 |
一旦国道を横切るまでは 舗装道だったので、 楽に歩けたのですが、 飼坂トンネルの手前で 国道を横切ったあとは グネグネと曲がりくねった 急な山道になります。 山道に入ったところに 腰切り地蔵があったハズ なのですが、見落として しまいました。 |
何度か立ち止まりながら 飼坂峠に到着。 屋根付きの休憩所も ありました。 峠の近くには展望台が あるので行ってみると‥ |
ご覧のような景色。 眼下に小さくこれから 向かう上多気の集落が 見えます。 ただ、この日の目的地は 上多気の集落の奥の山も 越えなければなりません。 あまり深く考えないことに しました。 |
約1時間ほどかけて飼坂峠を 越え、上多気の集落に到着。 ここは昔の街並みが残り 雰囲気のいい集落です。 ただ、ここでも自販機は 見つけることができません でした。 |
上多気常夜燈。 ここもその昔、宿場町として栄えたところ。 この常夜燈は高さが4.9mもあり、 伊勢本街道にある数ある 常夜燈の中でも最大級のもの。 近くには「すぐいせ道」と書かれた 大きな道標もありました。 |
結城屋旅館。 どうも旅館としては今は 営業されていないようです。 |
このあと、国道に出たり 入ったりしながら坂向場を 過ぎていきます。 坂向場とは、昔、伊勢参りが 盛んだった頃、二泊三日の 伊勢参りから帰ってくる 多気の伊勢講たちを家族や 子供たちが出迎えた所。 みんな無礼講で酒を 酌み交わしたそうです。 酒を持って出迎えて ほしかったなあ。 |
しばらく歩くと峠地区へ。 普通の街並みに見えますが 昭和50年に廃村になって おり、人影をみることは ありませんでした。 普通の街並みがそのまま 残っているのに、誰も おらず、ちょっと不思議な 感じです。 ここで山粕から6時間強。 |
峠地区のすぐ先から ひっ坂峠を下っていきます。 ひっ坂の「ひっ」は 「櫃」を手偏にしたもの。 変換できませんでした。 |
ひっ坂も難所のひとつで、 かなりの急勾配が続きます。 下りだけなのでよかったですが 逆は絶対に嫌ですね。 |
ひっ坂峠を下り切り、 国道368号線に合流。 ようやくここで自販機を 見つけることができました。 伊勢奥津駅からここまで 私の足で2時間45分。 途中自販機がありませんので ご注意を。 |
この区間を歩いたのは 正月明けの頃だったので どんと焼きの準備が いろんなところで 見られました。 子供のころは 学校や公園でもやりましたが 最近、家の近所では 見ることもなくなりましたね。 |
仁柿小学校前を通過。 ここまでくればゴールまで あと数キロです。 さすがに疲れてきましたが 最後のひと踏ん張り。 |
だいぶ日が陰ってきました。 遠くの山肌にあたる 夕日の赤がきれい。 |
目的地の柿野神社に到着。 参拝後、靴を脱いで 境内でしばしの休憩。 |
柿野神社のすぐ南を走る 国道168号線には バス停も多く、またバスも 1時間に1本ぐらいの 割合でやってきます。 バスの時間を見計らいながら 松阪方向に歩き、少しでも 距離をかせぎます |
由緒のありそうな商店。 大豆の文字が見えますが 味噌屋さんでしょうか? |
1.5kmほど歩き、 深野のバス停から乗車。 日もどっぷり暮れました。 山粕からここまで 約38kmを7時間40分。 51100歩でした。 よく歩いたなあ。 ここからバスで松阪駅に 向かいます。 帰りの電車の中 は モチロン爆睡でした。 |